永遠の詩




「未来・・・、僕の未来!!!お前は僕の妹なんかじゃない!!!

僕は・・・ずっと前からお前を愛してた!!!」

「お兄ちゃん・・・!!!私もお兄ちゃんなんて思えない!!!

私は・・・お兄ちゃんが好き!!!お兄ちゃんじゃなきゃ嫌なの!!!」

「未来、お前は僕のモノだ!!!誰にも渡さない・・・僕はお前を放さないからな!!!」

「うん・・・私はずっとお兄ちゃんと一緒だよ。私はお兄ちゃんの隣で、永遠の幸せを手に入れるの。」

瞳に涙を溜めながらにっこり微笑む未来の頬に、和希の手がそっと触れる。

頬に触れた和希の手が涙を拭い、未来の唇をなぞる。

そして、優しく和希の唇が重ねられた。

2人は想いを確かめるように何度も口付けを繰り返す。

やがて、和希の唇が未来の身体を支配し2人は快楽の中へと身を埋める。

今まで欲しくてたまらなかった未来の身体に和希は夢中になった。

互いの身体に溺れ、疲れ果てて眠る2人を月の光が微かに照らす。

 

2人はまだ知らない・・・

これが束の間の幸せだと言う事を・・・・・

 

 

これは夢・・・?

そう・・・きっとこれは全部夢なんだ!!!

お兄ちゃんと身体を重ねた事も・・・お兄ちゃんが死んだのも・・・・・

私が見た夢なんだ!!!

目が覚めたら、いつもと同じようにお兄ちゃんが笑顔で「おはよう」って言ってくれる筈。

これは全部夢なんだから・・・・・・

なのに・・・どうして私は泣いてるの?

桜の木の下で冷たくなっているこの人は誰?

ねぇ、どうして瞳が閉じてるの?

ねぇ、どうして動かないの?

ねぇ・・・・・誰か教えてよ!!!

夢なの・・・・・?

これは本当に夢なの・・・・・?

だって・・・・・私は覚えてる。

この唇がこの身体が、温もりを優しさを愛を覚えている。

「お兄ちゃん・・・・・・。」

そう、この人は私のお兄ちゃん・・・・・。

私を置いて、1人あの空へ逝ってしまった最愛の人。

これは夢ではなく・・・・・・現実。

『未来・・・ごめん。お前を置いていく僕を許しておくれ。僕はお前と幸せになりたかった・・・。

だけど、それは神が許してくれなかったみたいだ。』

『やだ・・・いや、お兄ちゃんそんな事言わないで!!!私、お兄ちゃんがいなかったら生きていけない!!!

私もお兄ちゃんと一緒に行く!!!』

『未来、バカな事言うんじゃない!!お前は生きて幸せにならなくちゃならない!!!

そんな事したら僕は許さない!!!僕はね・・・お前の笑ってる顔が好きなんだ。

だから、それを空からずっと見ていたい。』

『お兄ちゃん・・・・・・。』

『僕は短い間でもお前と恋人同士になれて幸せだった。

未来・・・僕はお前をあの空から見守っているよ。いつまでも、お前が幸せであるように・・・・・。』

そう儚げに微笑み、お兄ちゃんは何か呟いてその瞳を閉じてしまった。

その呟きに私の瞳からは滝のように涙が零れた。

あれから1時間・・・・・・

私は狂ったように泣き続けた。

そのせいか私の涙は枯れてしまい、代わりに桜の涙がお兄ちゃんに降り注いでいる。

冷たくなったお兄ちゃんを抱きしめ、その唇に自分の唇を重ねた。

「お兄ちゃん・・・私もお兄ちゃんだけを愛してるよ。」

枯れた筈の涙が頬を伝い、お兄ちゃんの顔に落ちた。

その時、お兄ちゃんの顔が優しく微笑んだような気がした。

 

 

 

ねぇ、お兄ちゃん。

私はお兄ちゃんしか愛せない。

それでもお兄ちゃんの居ないこの世界で幸せになれるのかな?

お兄ちゃん以上に愛せる人なんてこの世界に居るのかな?

私はお兄ちゃんだけを永遠に愛してる。

だから・・・・・

お兄ちゃんの永遠の愛の中で生きるのが私の幸せなんだよ。

 

 
『未来・・・・・僕はお前を永遠に愛してるよ。』
 

 

fin




まみ様よりいただいたものです.
うう・・・お兄ちゃん・・・
ゲーム始まっていきなり死んじゃうとは思いませんでした.

でも,お兄ちゃんと恋人になるルートに行く時だけ
お兄ちゃんは死なないのです.

だとしたら,お兄ちゃんと恋人になって,
そしてお兄ちゃんが死んでしまったら・・・?
というネタでお願いしていました.
非常に切ないです...

星の王女2では,お兄ちゃんが死んでいる2年後という設定で
お話が始まるので,やっぱりお兄ちゃんが生きてると
ダメなんだろうか・・・と思ってしまいました.
(禁断のお兄ちゃんルートだけですね...)

まみ様,ありがとうございました!!!
 


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